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4日目(2) Kの日記 シェニニから戻った私たちは、またカフェP.T.T.でお茶を飲みながら街を眺めていた。昨日から顔見知りの学校の先生と一緒に話していたところ、ラジオのジャーナリストだという眼鏡をかけた男がやってきた。私たちにインタビューしたいというのだ。ここ、タッタウイン地方のローカルラジオ番組の中で、外国人観光客にインタビューするコーナーがあるらしい。日本人のしかも女性がこの辺では珍しいから是非、ということだった。私たちは半信半疑ながら、夜8時半、ホテルのロビーで会う約束をした。 夕食までの時間、みやげ物やをぶらついた。そこで、私たち3人はチュニジア製のタピ(キリム)にすっかり魅了されてしまった。タピには、いつかスースの食堂で初めてその名前を聞いた動物「 ガゼル 」が織り込まれている。ガゼルは砂漠に住むとても貴重な動物で、白い鹿のような姿をしている。全く買い物には興味の無かった私たち3人も、すっかりタピに夢中になった。ベルベル人の女性が織るというタピはここ、タッタウインに集まってくるらしい。遠くから買い付けに訪れる人もいる。次の日、タピの専門店を訪れることにして、ひとまずその場を去った。 ホテルにもどると1階のレストランはもう夕食をとる客で活気をおびていた。私たちはすっかりこの食堂が気に入り、既にスタッフの青年達とも顔見知りである。来るたびに、「クスクスはある?」と尋ねる私たちに、彼らは申し訳なさそうに、「今日はない。」と答えた。なかなか、クスクスにはありつけない。それにしても、スタッフが親切な上に安くてどれを注文してもはずれたことがない。 食後、約束通り、さっきの男(アリと名乗った)がやってきた。もう一人、録音係の男を連れている。 私たちはロビーのソファに座り、ホテルのスタッフら観衆が見守る中、インタビューを開始した。といっても録音する道具は一昔前のソニーのテープレコーダーがあるだけ。そこにつけられたマイクに向かって話せばいいのだ。 アリが質問を始めた。質問の内容は、なぜチュニジアを選んだのか?、チュニジアの感想、日本のチュニジアの評判は?、などなど、かなり簡単な内容だった。しかし、インタビューはすべてフランス語である。私たちの拙い語学力ではなかなかうまく伝えることができない。それでも、アリや周りの人に励まされながら、どうにか無事に収録は終わった。30分ほどの時間が過ぎていた。かなり、緊張したものの、たのしい経験だった。 その時のテープは、カフェP.T.T.のお兄さんが、日本までわざわざ送ってくれた。ほとんどがアラビア語の放送の中、私たちのところだけフランス語になっていた。後になって聴いてみると、顔から火が出るほど恥ずかしい。どんなことを発言したのかすら、緊張の余り、完全に忘れてしまっていた。 |
![]() タッタウイン街の光景 ![]() 賑わうカフェP.T.T.
チュニジアについては、砂漠も海もあってとても自然が美しい、人々も親切だと答え、それから、恥ずかしいことにクスクスが最高だと言って笑いをとっていたのはどうやら私だったらしい。 日本でのチュニジアのイメージについては、まだまだ日本では知られていない、もっと日本人に知って欲しいなどなど。その時は精いっぱいだったのに、けっこうありきたりのことを言っているものだ。 収録が終わると、のどがからからに乾いていた。ホテルの少年にジュースをもらって、部屋にもどった。 予期せぬ出来事にぐったり疲れた私たちはその後すぐに床についてしまった。それでも、今となって思えば、 最高に思い出に残る一日だったといえる。 | |
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