タッタウイン最後の日/Last day in Tataoiune
6日目(市の日) Kの日記
 日は月曜日。マルシェ(市)の日だ。そして、出発の日でもある。
 かなり朝早くから通りががやがやと騒がしい。一歩外へ出ると、前日までとは街を歩く人々の顔ぶれが違っているのがわかる。より伝統的な服装をした人たち。ベルベル人。黒い帽子をかぶったリビア人など。遠方から来た人々で賑わっているのだ。
 さっそく朝市へ行ってみよう。まず、色とりどりのスパイスが目をひく。きれいなピンク色のローズが大きな袋に入れられて無造作に売られている。お茶用に少し求めようとも考えたが、全体的に花が開きすぎな気がして止めた。観光客らしい人はあまり見あたらない。そのせいか、売られているものはほとんど日常品である。着古した古着をならべる人もいれば、金物を売る店、織物を売る店など、様々だ。Eが赤い毛布を10TDで買った。パレスチナ人がよく巻いている格子の布(赤や黒)が欲しかったが、手頃な値段では売っていなかった。
 しばらくぶらついてから、カフェへ向かった。午後には出発である。カフェのお兄さんにそのむねを伝え、世話になった礼を言う。このカフェがなければ、タッタウインでの滞在は半分も充実したものにはならなかっただろう。
 お昼を食べにホテルへ戻った。いつもの男の子が笑顔で「 今日はクスクスがあるよ。」と真っ先に伝えに来た。私たちが毎日クスクスのことを訪ねる度に、申し訳なさそうにしていた子である。
 11時半、すっかり馴染んだホテルをチェックアウトして、レストランで我々のクスクスを待つ。もう何も言わなくても分かっているようだった。ホテルのスタッフみんながくすくす笑っていた。
 タッタウイン最後の食事、念願のクスクスは申し分のないおいしさだった。お肉も柔らかく、よくスープがしみこんでいた。出発前にスタッフのみんなと写真を撮った。
 タッタウインの人々は、みんな素朴で親切だった。他のところとは違う。優しいがおしつけがましいところがなく、あっさりしている。
 名残惜しくもう一度、カフェに立ち寄った。お兄さんがレモンジュースをごちそうしてくれた。結局、手に入らなかったテープを日本へ送ってくれるようにお願いした。彼は「大丈夫、絶対に送ってあげるから」と答えた。 切手代といって1TDわたそうとしたが、決して受け取ろうとしなかった。
 今度こそ出発である。大きな荷物を背負って街はずれのルアージュ乗り場へ向かった。メディニンまでは1.75TD。1時間ほど。流れる景色を眺めながら、私たち3人はそれぞれの胸に様々な思いを残してタッタウインの街を後にした。

賑やかな月曜の市場


伝統的な服装の人々。とても陽気。


白い袋に無造作に入れられたスパイス。


男性の典型的な服装。足はサンダル。

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