寄稿: 越崎 健司 |
| 3月23日(日) 快晴 ドゥイレットー結婚式の祭り | |
今日はドゥイレットで伝統的な結婚式を模した祭りだ。祭りの集団は、古い家々が ある場所へと向かっていった。ラクダに飾りを乗せ、その尾に縛り付けた布を持った 花嫁役と思われる着飾った女性がいて、その周りに太鼓を鳴らす男達や着飾った女性 がいる。クサールのある岩山の麓に来ると、みんなが輪になりはやし立て太鼓が鳴る 中、その中心で数人が踊りだした。実ににぎやかで楽しい。おとといの拍子抜けさせ られたのとは違う、まさに私が求めていた祭りだ。そして私はいつのまにかその中で 踊っていた。初めはどう踊れば良いか分からず恥ずかしかったが、太鼓の音が実に心 地よく、そのうちみんなと一緒に楽しんでいた。そのおかげで、輪に戻ると握手され たり肩をたたかれたりして話しかけてもらえた。時には恥を忘れて思い切ったことを するのもいいものだ。中には見覚えのある顔もあり、先日私をオリーブ油を作ってい る所に案内してくれた人とも再会した。彼は月光仮面のような民族服を着ていて、タ ペストリーを展示した所に案内してくれた。結婚式や祭りの時にこういったタペスト リーを使うそうだが、その武骨な粗さが、羊の毛を取るところから編むところまで全 て手作業で行うという事実を如実に示していた。ここではいまだにこういった伝統的 な結婚式が行われ、この伝統はアラブの町であるタタウィンとは違うんだ、と言う彼 の言葉にはベルベル人としての誇りが感じられた。 引き続いて3日間のクサール祭りのフィナーレを見に、祭り用の特設会場へと向か った。到着したのは開始の1時間前で、すでに一列目は埋まっていた。この前と同じ く今日もまた開始時間が遅れ、陽の射す中2時間立ちっぱなし。疲れはててイヤにな った頃にやっと始まったが、前の人が邪魔でよく見えない。せっかく私が見たかった 各地の民族衣装を着た女性や伝統的な格好に身を包み馬に乗った男性が歩いていると いうのに・・・。だいたい、これだけの人が来ることくらい予測が付くのだから、み んなが見られるようにせめて立つ場所に段差を付けるとか、着飾った人を台に乗せる とか、なんか工夫ってことができないのか。人々が不平も言わず祭りを楽しみ目を輝 かせているのを見ると本当に腹が立つ。しかも今度は踊りをお偉いさんがい骰タ席の すぐ前でやりだした。それこそ、その座席の近くのごく一部の人にしか見えない。当 然私からだって見えるはずがない。ふざけるな。この国では偉いかなんか知らないけ れど、周りにこんなに大勢の人々がいて、俺だってわざわざ日本から来てこんなに疲 れはてるまで立ってるってのに、なんであんたらのためにそこまでやるんだよ。これ にはさすがにキレて、タタウィンの町に帰ることにした。 町に戻る途中3人組の高校生と知り合った。一人は英語がかなり話せ、彼と話して いると言葉が私の口からとめどなく溢れてきた。こんなに長く気さくに人と会話する のは実に久しぶりだ。英語を話せる人になかなか出会えず会話に飢えていた私はそれ こそ涙が出そうに嬉しかった。彼らがおもしろいものを見せてくれると言う。もう外 は真っ暗だったが、彼らを信じることにしてついていくと、なんと夜店がやっている 。夜は早々とほとんどの店が閉まるこの町でだ。今は休みなので小学校を借りてやっ ているそうだが、壁の外からは中でそんなことをやっているとは全くわからず、まさ にここの人とでないと来られない。売っていたのは服や雑貨で、残念ながら買いたい ものはなかったが結構楽しめた。いつの間にか祭りでの怒りも収まりいい気持ちにな っていた。旅って本当に良いことと悪いことが入り混じったものだ。 チュニジア旅行時、1TD(チュニジアンディナール)≒ 113円 、$1≒ 124円。時差 は8時間。 次へ |
旅のサークルへ
|